イタリアのACミランやASローマ、スペインのレアル・マドリードなど数々のビッグクラブをリーグ王者に導き、“優勝請負人”の異名をとったイタリアの名将、ファビオ・カペッロ。現役時代を含め栄光に包まれたキャリアを持つカペッロだが、「家にトロフィーは置いていない。過去を振り返ることがとにかく嫌いなんだ」と語る。
5月24日に放送された『Football’s Greatest Manager Capello』(AbemaTV)では指導者としてキャリアをたどり、カペッロの知られざる一面を見ることができる。また、元イタリア代表のフランコ・バレージやパオロ・マルディーニ、Jリーグでもプレーしたダニエレ・マッサーロ、さらにイングランド代表のウェイン・ルーニーら錚々たるスターが登場し、彼の手腕について証言。
ACミランでは1991~1996年までの5シーズンで優勝4回。1991-92シーズンには無敗優勝も成し遂げた。厳格な指揮官として知られ、元ミランのバレージは「選手への要求度は高く、規律やプロ意識を重んじた」と明かす。同じく元ミランのクリスティアン・パヌッチも「普段の練習から厳しくて口数も笑顔も少ない。当初は恐れすら抱いたよ」と振り返っている。
1996-97年に指揮したレアル・マドリードでもリーグ優勝を果たすと、古巣ACミランの監督に復帰したカペッロだが、この決断を「サッカー人生最大の過ち。選手を選ぶ権限も与えられず、チームとして終わっていた」と後悔する。わずか1シーズンで監督の座を退くと、1年間の休養を挟みASローマの監督に就任。「意識改革を含むチームの債権に充電期間で得たものが生きた」と自身も語るように、2000-01シーズンには18年ぶりとなるスクデットをもたらした。当時、元日本代表の中田英寿がローマでプレーしていたのはファンには周知の事実だろう。
2004~2006年まではユヴェントスを指揮。2度の優勝を達成するもチームが審判買収スキャンダルに見舞われる。その後、再びレアル・マドリードを1シーズン率い、サッカーの母国イングランド代表の監督に就任。「夢のようだった」と思い返しているが、2010年の南アフリカワールドカップではベスト16でドイツに敗退という結果に。イングランド代表のフランク・ランパードのシュートがゴールラインを割りながらも認められず、「互角の戦いだった。あの誤審が悔やまれる」と無念をにじませる。
それでも自身のキャリアを振り返り「どの冒険も最高に楽しかった。挑戦を避ける人生なんて辞めた方がいい」と締めくくっている。
(Football’s Greatest Manager Capello/AbemaTVサッカーチャンネル)
(C) MP & SILVA
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