イタリア代表の司令塔として長く活躍したアンドレア・ピルロが、人生で最もうれしかった瞬間を5月25日放送の『Football Greatest 3 Pirlo』で語っている。過去の映像で彼の鮮やかなプレーを振り返るほか、マルチェロ・リッピやカルロ・アンチェロッティといった世界的な監督たちがピルロについて論じている。
ピルロはまず、自身の性格について「喋るのが苦手で、フィールドの上でしか語れない。あまり派手なことをしたいと思うタイプではなく、いい試合がしたいだけ」と淡々と話す。
早くから将来を嘱望されるも、イタリア・セリエAのブレシアから移籍した強豪インテルではレンタルに出されるなど、定位置の確保に苦労。ピルロは「ベンチに座って時々プレーするだけでは満足できなかった」と移籍を決意したという。その後、2001年に同じくミラノを本拠地とするACミランに加入すると、そこで才能が大きく花開く。
当時の監督だったアンチェロッティは「ミッドフィルダーだった彼を後ろに下げ、プレーの選択肢に幅が出るようにした。チームの要となる選手に成長した」と振り返る。以降10年間、ACミランでリーグ優勝2回、UEFAチャンピオンズリーグも2度制覇した。
その間、イタリア代表として2006年のドイツ・ワールドカップで優勝。4度目の栄冠を母国にもたらした。ピルロは「人生で最もうれしかった瞬間であり、一生忘れないだろう」と喜びを語る。映像にも登場する、準決勝のドイツ戦で先制ゴールを生み出したノールックパスは彼の真骨頂とも言えるプレーだろう。
元イタリア代表監督のリッピは「ピルロは、ほぼいつも先を見ることなくパスができる。チームメイトは彼からのパスを期待するが、その時ピルロは相手を見ていなかったりするから驚くほかない」と絶賛。イタリア代表のベテランGK、ジャンルイジ・ブッフォンも「世界のどこを探してもピルロの代わりはいない」と断言する。
番組では、独特の軌道で数々のゴールを奪ったピルロのフリーキックにも触れる。リッピは「ボールを足の指先ではなく足の先全体を使って蹴っていた。その蹴り方だとボールの軌跡は急上昇し急降下する」と解説。アンチェロッティも「練習が終わった後もたくさん練習していた」と証言するように、才能だけでなく日々の努力の賜物によるものだったようだ。
結びに「様々な記録を打ちたてた選手として記憶され続けたい」と語るピルロ。もちろん、ファンは彼の素晴らしいプレーをいつまでも忘れないだろう。(Football Greatest 3 Pirlo/AbemaTVサッカーチャンネル)
(C)MP & SILVA
0コメント