交流戦を終えたペナントレースは通常のリーグ戦に戻り、7月中旬には束の間の夏祭り、オールスターゲームを迎える。6月26日にファン投票、29日に選手間投票、そして7月3日には監督推薦のメンバーを合わせた出場選手が発表された。ファン投票の最多得票は、交流戦MVPに選ばれた柳田悠岐(ソフトバンク)、セ・リーグでは鳥谷敬(阪神)となった。柳田は2014年のオールスター2戦でホームランを放ち、4安打の活躍でMVPを獲得している。名実ともにリーグの顔となる選手が選ばれ、その中のMVPともなれば波に乗っていきそうなものだが、その後の調子は選手により明暗を分けている。
柳田はMVPを手にしたが、後半戦に失速。前半に12本のホームランを放っていたが後半はわずか3本にとどまった。打率は2分ほど落とし、後半戦のみでは3割を切る結果に。同じ2014年の1戦目でMVPに輝いたのはダメ押しの2ランを放ったエルドレッド(広島)。前半はハイペースで29本のホームランを打ち、後半戦も期待されたが8本に終わった。調子を崩しスタメンを外れることが増え、2軍降格も味わう苦いシーズンとなった。
2015年のMVPは3イニングを無安打無四球のパーフェクトに抑えた藤浪晋太郎(阪神)と、2戦目で先制ソロホームランを放った會澤翼(広島)。ちなみに藤浪は浅村栄斗、森友哉、中村剛也(西武)、中田翔(日本ハム)と大阪桐蔭OB対決もしっかりねじ伏せる完璧なピッチングを見せた。この2人の後半戦というと、曾澤はキャッチャーの石原とスタメンマスクを分ける形で前年以上の成績は残せなかったが、藤浪は絶好調を維持。8月の横浜DeNA戦では7者連続三振を記録するなど奪三振率も上げ、この年はキャリアハイの14勝をマーク。MVPの輝きをそのままに突っ走ったシーズンとなった。
昨年のMVPはリーグの顔から球界の顔となり、チームにも勢いをつけた2人。1戦目でソロホームランを放った筒香(横浜DeNA)と2戦目でソロホームランを打ち、3安打2打点と暴れた大谷(日本ハム)。筒香は2戦目も先制のソロホームランを放っている。後半も打撃の手をゆるめずホームランは44本まで伸ばし、本塁打王、打点王の二冠を獲得。勝負強さを見せ、チーム初のCSへバッティングでけん引した。一方、投手として選出されたが手のマメの影響で野手として出場した大谷は、その後投手として復活し、9月に球界最速の球速164キロをマーク。投げては10勝、ホームラン22本の活躍でチームに貢献し、日本一の称号を手にした。ここ数年で最もMVPの2選手がレギュラーシーズンでも結果を残した年となった。
大谷は今シーズン肉離れで戦線離脱していたにも関わらず、DHで選出。6月23日付けで1軍登録され、シーズンの戦いはもちろんのこと、オールスターでどんなプレーを見せてくれるのかファンの視線が集まる。後半戦を見据えたMVPの行方が気になるところだ。【山口愛愛】
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