前半戦を貯金2の3位で折り返した横浜DeNAベイスターズ。6月に12勝10敗と今年初めて月間勝ち越しを記録すると、7月もオールスター前まで6勝4敗と堅調な成績を保っている(記録は7月12日現在。以下同)。
序盤に苦しんだ主砲・筒香嘉智の復活と同時に、アレックス・ラミレス監督が我慢して先発起用してきた1番センター・桑原将志と9番ショート・倉本寿彦の調子が戻って来たことも大きい。
2人とも開幕から不調に陥っていたが、ラミレス監督が「自分がレギュラーに抜擢した選手。そう簡単には代えない」と名言。オープン戦絶好調の関根大気やゴールデングラブ賞2度受賞の荒波翔が控える中、5月終了時点で打率2割3分4厘の桑原を1番・センターで起用し続けすると、6月は月間3割3厘と見事に復活。7月1日の巨人戦では、初回の先頭打者アーチに加え、9回には守護神・カミネロから逆転満塁ホームランを放つなど、7月は月間4割8分8厘と手の付けられない状態になってきた。
倉本も5月終了時点で打率2割3分と絶不調。それでも、ラミレス監督はフルイニング出場させ続けた。すると、7月は月間3割2分5厘と打棒が戻り、1番の桑原に繋げる役割を果たしている。
ラミレス監督は依怙贔屓をしているわけではなく、「この選手なら必ず復調してくれる」と見立てた上で、起用しているのだ。
その証拠に、見極めが早い時もある。オープン戦首位打者のシリアコは開幕戦から4試合連続サードでスタメン起用したが、12打数1安打。5試合目に代打で凡退すると、二軍へ降格させた。オープン戦と同様、パ・リーグと対戦する交流戦で一軍に昇格させてチャンスを与えたが、スタメン3試合でノーヒットと結果を出せないと、再び二軍落ちさせた。
自分と同じ外国人だからといって、贔屓することなくダメなものはダメと判断できる。もしシリアコの起用にこだわっていたら、同じサードの宮崎敏郎が首位打者に躍り出るような活躍はできなかっただろう。シリアコを交流戦で一軍に昇格させたように、選手に不満を持たせないように、きちんとチャンスを与えている面も見逃せない。
野手だけではなく、投手を見極める目も鋭い。新人の濵口遥大は5月に3連敗を喫し、3試合連続で5回持たない投球が続いた。普通であれば、二軍落ちしてもおかしくない成績だったが、ラミレス監督は「彼のポテンシャルはリーグでもトップクラス」と信頼を置き、ローテーションを外さなかった。すると、5月30日の日本ハム戦で7回を0封し、1ヶ月の白星を挙げる。その日から前半戦終了まで先発6回で4勝を挙げてオールスターにも選ばれた(※肩の違和感で辞退)。
一方で、3年目の山﨑康晃がシーズン序盤不調に陥ると、抑えを剥奪し、中継ぎに回した。その起用で立ち直った山﨑は5月20日に守護神に戻って以降、救援失敗1度もなしの10セーブを挙げている。
ラミレス監督は偏見や思い込み、情で判断するのではなく、自分の基準をしっかり持ち、徹底したデータ分析の上で選手を起用している。後半戦、独走・広島を止めるのは、ラミレスDeNAか。
(C)AbemaTV
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