“MSN”は解体した。大騒動の末に莫大な金を残し、パリ・サンジェルマンに完全移籍したネイマール。メッシ、スアレスと共に欧州を席巻した3トップは過去のものとなった。監督もルイス・エンリケからエルネスト・バルベルデに交代している。
まさに“節目”を迎えているFCバルセロナ。8月13日には今季初の公式戦、スーペルコパ・デ・エスパーニャを戦う。1stレグの舞台はカンプ・ノウ。対戦相手は宿命のライバル、レアル・マドリードだ。シーズンの行方を占うことになる“エル・クラシコ”を、ネイマールが抜けたバルサは、制することができるのだろうか。
カタルーニャ州を代表するクラブは、7日にジョアン・ガンペール杯2017を主催している。ブラジル全国選手権1部のシャペコエンセを招待した。昨年11月に飛行機墜落事故という悲劇に遭遇したクラブだ。
犠牲者への追悼の意を込めた親善試合で、バルサの攻撃陣が躍動した。天国に旅立ったサッカー選手たちを弔うかのように、5ゴールと爆発。もちろん対戦相手との力量差があったとは言え、その様子は、まるで往年のペップ・バルサだ。
シャペコエンセ戦で、ブラジル代表の10番が抜けた左ウイングで先発したのは、ジェラール・デウロフェウ。今年の夏に武者修行の旅から帰還した、カンテラ育ちの23歳。そして“弔い合戦”で最も輝いたのは、この若きアタッカーだった。
6分、ラキティッチの折り返しをきっちり押し込んで先制。さらに11分、ペナルティエリア内の左でしっかり溜めて、ブスケッツのミドル弾を演出。そして28分には、ワンツーで粘って、メッシの3点目をお膳立てした。チームバランスを意識し、“引き立て役”としても活躍したデウロフェウ。下部組織重視というバルベルデ新監督の路線にも合っている。
もちろんブラジル全国選手権1部クラブと昨季CL王者ではレベルが違う。それでもU-21スペイン代表で主将も務めた23歳は、ネイマールの抜けた穴を補い、“エル・ブランコ”に果敢に立ち向かってくれそうだ。
文・本田千尋
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