“偽9番”の復権で乗り切っている。8月26日に行われたラ・リーガ第2節。FCバルセロナは、アウェイに乗り込んでデポルティーボ・アラベスと対戦した。
前節のベティス戦に続いて、エルネスト・バルベルデ監督はメッシをセンターFWで起用する。左ウイングにはデウロフェウ、右ウイングには本職がサイドバックのアレイクス・ビダルを配置。まさに即席3トップだ。しかしネイマールがパリへ移籍し、スアレスも負傷中であれば、致し方ない。もはや“MSN”には頼れないのだ。
もちろんメッシはペナルティエリア内に留まらない。中盤の低い位置まで下がり、サイドにもポジションを取るなど、往年の“偽9番”としてピッチ上を動いた。前線の人員不足という現状で、ペップ・バルサの遺産に頼ることは、妙案と言えるだろう。そもそもメッシはこのタスクに慣れている。アルカセルをスアレスの代役として起用するよりは、“偽9番”としてアルゼンチン代表の10番を置く方が、バルサはチームとして機能する。
かくしてフラフラするメッシは、アラベスの守備陣を無力化した。38分のPKは止められたが、55分には、ジョルディ・アルバからのクロスをゴール前で巧みにコントロール。並み居るDFを物ともせず、シュートをねじ込んで先制。66分にはカウンターから抜け目なく追加点。メッシの2ゴールで、手堅く守るアラベスを振り切った。“偽9番”を緊急活用することで、バルサは序盤戦を凌いでいる。
文・本田千尋
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