2020年の東京オリンピック正式種目に決まったサーフィン。しかし、サーフィンのコンテストの見方やルールに関しては、まだ知らない方が多いのも事実。そこで、JPSA(日本プロサーフィン連盟)のコンテストMCとしてLIVE実況をしているnicoがサーフィンコンテストの魅力や見方を分かりやすく解説。3回目となる今回はコンテストの確立と概要についてお話していきます。
nicoです。前回はサーフボードの種類についてお話ししました。今回はサーフィンコンテストの成り立ちと概要についてお話したいと思います。
まずサーフィンがコンテストとして確立していった流れから。
サーフィンに限らずどんなスポーツも仲間同士で遊びの延長線上から勝敗をつけて楽しむ。と言った流れはごく自然な事。競技人口が増えたり興味を持つ人が増れば勝敗も含め感動を与える「魅せるスポーツ」と変わってきます。
そして徐々に競技として成り立つように様々なルールが付け加えられてゲーム性を高めてきます。サーフィンは今 試合中、乗った波の演技点や残り時間、自分が勝つために必要な点数が すぐにわかるポイントコールという会場アナウンスが当たり前にあるのですが、ひと昔前は 試合中のアナウンスは無く試合開始と終了のホーンのみがあるだけ。
試合が終わると選手は海から上がりジャッジの審査の結果を待つというシステム。試合が終わった直後は自分が勝っているのか もしくは負けてしまったのか分からなく自分の手応えのみで結果を待っていました。
今の会場ポイントコールができたことにより、選手たちはリアルタイムで自分の置かれているシュチュエーションを把握できるようになり試合中作戦を変えたりまた選手同士の駆け引きが生まれ 高いゲーム性が生まれ観戦している側も現状が分かりやすく目が離せない白熱する展開に魅了されるようになりました。
こうやってサーフィンのコンテストはどんどん進化していきましたが、いつの時代も基準としてあるのは”いかに平等に良い波に乗らせるか”ということです。サーフィンは同じ海岸でも時間帯で風や潮の影響などで波が変わっていくので大会期間を数日間設け、波の状態や天候が良くない場合はコンテストが続行できるかどうかを判断するウェイテイングという時間を設け試合を中断し試合可能なコンディションが整うまで待つという事が多々あります。
観戦する人は決まった時間に見ることができないのはつまらないと思う人がいるかもしれませんが、それほど波の状態というのはコンテストにおいて非常に重要なウェイトを占めています。
では最後にコンテスト形式の紹介をしたいと思います。世界にはWSL(World Surfing League)という世界最高峰のコンテストがあるのですが、日本ではこのWSLのルールを元に世界基準に合わせて運営しています。
僕がMCをしているJPSAは基本セミファイナルまで4人1ヒート(4人で1試合)で制限時間が20分。1つのラン(1本の波に乗っての演技)は10点満点。制限時間内であれば現在 波に何本乗ってもOKになりました。そして自分のベストスコアをどんどん上書きしていきます。最終的に自分の上位ベスト2本のランの合計で勝敗が決まります。
このような枠組みは開催団体やコンテストによって変わってくるので、オリンピック本番がこのようになるのかは現時点ではわかりませんが、今の主流になっているということは覚えてもらうといいと思います。
次回はコンテストの開催日程についてお話したいと思います。
プロフィール
Abema TVにてJPSAのナビゲーターを務める傍ら、J-WAVEなどでもレギュラー番組を持つ人気MC。本人も生粋のサーファーとして幾多の海外トリップを経験している。
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