サーフィンコンテストはいつやってるのか?分かりづらい理由

2020年の東京オリンピック正式種目に決まったサーフィン。しかし、サーフィンのコンテストの見方やルールに関してはまだ知らない方が多いのも事実。そこで、JPSA(日本プロサーフィン連盟)のコンテストMCとしてLIVE実況をしているnicoがサーフィンコンテストの魅力や見方を解説。4回目はコンテストの開催日程ついて。

nicoです。前回はコンテストの成り立ちと概要についてお話しました。今回はコンテストの開催日程についてお話していきたいと思います。


なぜわざわざ開催日程についてお話するのかと言うと、コンテストは必ずしも決まった時間に開催されるものではないからです。サーフィンのコンテストを見たことがない人からすると、せっかくコンテストを見ようと思ってもいつやってるのかが分からないのであれば、不便だし見ようと思った気持ちも失せてしまうかもしれません。


でも、そこにはきちんとした理由があるんです。サーフィンは自然相手のスポーツ、これほど自然に左右されるスポーツはないというお話はこのコラムの初回でしましたが、この部分が大いに関わってきます。


というのも、波がないのにサーフィンができるでしょうか? 波が悪くていいパフォーマンスが見せられない条件でもコンテストを続けたいと思いますか? と言われれば、答えはいずれもNOです。


出場選手には少しでもいい波に乗って、いい演技をしてもらう、これは見ている側の、観戦期待度に関わってきます。その為、コンテストの開催日程や時間を変更してでも行わないといけません。


日本のサーフィンの大会は通常木曜から日曜にかけて4日間の開催期間を設けています。初日はプロトライアルと言ってプロ昇格の試合などを行い、2日目からプロの本戦がスタート。最終日にはプロのファイナルを行います。


ただし、先ほども言ったように波のコンディションを見定めて大会は進行しますので、条件が整わなければウェイティングといって「波のコンディションが良くなる時間まで待つ」ということが多々あります。もちろん天候によっては一日中波が良くない日もあるので、そのような時は全ての試合をキャンセルして前日の全日程を翌日に持ち越したり、中止になってしまうとこともあります。そのため、うねり情報など様々な情報を駆使して波のコンディションを大会の運営をするコンテストディレクターが予想をしつつ見極めています。


時には雷が近づいてきた場合は非常に危険なので、即ウェイティングとなります。また場合によっては前倒しという形で海のコンディションが悪化する前に試合を行うこともあります。

そうして日曜の夕方くらいまでに全ての試合を消化できるようなスケジュール調整をして進行していきますが、世界大会では一週間くらい開催期間を設けているところもあります。ではそのウェイティング時間中ですが、基本的に出場選手にとっては自由な時間となります。練習をする選手もいれば、OFFを満喫する選手もいます。


そのあたりは個々の人間性が垣間見れてコンテストを控えた自分のモチベーションの作り方などが見れる面白い部分でもありますね。これが通常のコンテストの流れになります。


これからコンテストを見る場合には見る側も ONとOFFを使い分けて、当日の試合がキャンセルやウェイティングになってもショックがないよう「まぁサーフィンの試合だから」と思えるように心の準備をしておいてください。


次回からは試合の採点方法。「どれが高得点? 」「どれが加点にならないの?」から、コンテストを楽しめる技や最新のトリックについてお話をしていきます。

プロフィール

Abema TVにてJPSAのナビゲーターを務める傍ら、J-WAVEなどでもレギュラー番組を持つ人気MC。本人も生粋のサーファーとして幾多の海外トリップを経験している。

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