2020年の東京オリンピック正式種目に決まったサーフィン。しかし、サーフィンのコンテストの見方やルールに関しては、まだ知らない方が多いのも事実。そこで、JPSA(日本プロサーフィン連盟)のコンテストMCとしてLIVE実況をしているnicoがサーフィンコンテストの魅力や見方を分かりやすく解説。5回目は波に弧を描いて進んでいくマニューバーついて。
nicoです。前回まではコンテストを見る前に知っていただきたい概要についてお話をしてきました。今回からが本題。サーフィンにはどんな技があって、選手は高得点を出すにはどうすれば良いのか!?
まずは波に乗っていくライディングについてお話しましょう。
数あるトリックの中でも基本のひとつであるマニューバーについてお話していきたいと思います。
マニューバーとは何か!? ということですが 一言で説明するなら”弧を描きながら進むこと” です。波の一番上の部分をトップ、下の部分をボトムと言うのですが、上から下のライディングできる面(フェイス)を使っていかに大きな振り幅で綺麗にターンしながら滑ることができるかが、高得点のポイントになります。
その際の見るポイントとしては、減速せずにスピードをキープ、加速してまるで一筆書きのようにスムーズに波に乗り続けられるかというところを見れば分かりやすいと思います。
これには1つの流れというのが重要なポイント。通常止まってしまったり、無理に漕いで加速をしていると加点になり難いです。
またターンの際の水しぶきの大きさや派手さなどもポイントになっていきます。水しぶきをスプレーと言ったりしますが、波の上の方(トップ)でターンをするとおうぎ形のスプレーが天高く上がりかなり見応えがあります。飛んでいる水しぶきの量にも注目すると面白いです。
それと重要なポイントが、いかに波の上でバランスを取るのが難しく、転びそうなところでうまく乗ることができるかというという点。
転ばないようにしてあまり安全運転のライディングは加点対象にはなりません。技を繰り出すのが難しい波のポイントは 波が崩れる寸前の部分です。
沖から来た波が盛り上がって波の面が直角に近くなり、崩れるときには白波が立ちますが、ちょうど波が崩れるカールしてくる部分、ここは非常にリスキーなんです。波にも力があり転倒しやすくなります。
ただ逆に考えると一番力のある場所なので波の力をうまくコントロールすれば スピードも加速しパワフルな技も繰り出すことができます。
では先ほどのマニューバーを描くのに必要なターンですが、これには細かく言えばたくさんの種類があるので、ここでは基本的なものだけに留めておきます。先ほども言った波の上下のことを差すトップとボトムですが、下の方をボトムターン、上の方でトップターンといいます。これを細分化すると、そのターンを波にお腹を向けて回るのか、背中を向けて回るのかで別れ、お腹側をフロントサイド、背中側をバックサイドと呼びます。すでにこれだけで4種類のターンが生まれます。他にもライディング中、走っている波の先が続いてなかったり 波の力のあるゾーンから離れてしまった時に使うカットバックなど、基本技以外にも種類があります。
実際にサーフィンを経験をしていないと覚えることが多いとは思いますが、まずはこの基礎のマニューバーやターンを理解していくと技の種類の違いが良く分かってくると思います。
では、次回はサーフィンの代名詞チューブライディングについてお話したいと思います。
プロフィール
Abema TVにてJPSAのナビゲーターを務める傍ら、J-WAVEなどでもレギュラー番組を持つ人気MC。本人も生粋のサーファーとして幾多の海外トリップを経験している。
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