めっちゃ反転して、めっちゃゴール決める! 日本代表の新エース・清水和也が大迫並みに“半端ない”!

 ブラジル、ベルギーと戦ったサッカー日本代表。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督率いるチームでは、来年のロシアW杯に向けて激しいポジション争いが繰り広げられている。


 そんな中にあって、センターフォワードとして2試合連続で先発するなど絶対的な信頼を寄せられているのが大迫勇也(ケルン)だ。


 屈強な外国人を相手にしても競り負けず、しっかりとボールを収めることができる。堅守速攻を目指す日本代表の攻撃は、大迫がいなくては成立しないといっても過言ではない。


 大迫といえば、「半端ない」というキャッチフレーズが有名だ。


 鹿児島城西高校の一員として出場した第87回全国高校選手権。そのプレーを目の当たりにした相手DFが「大迫、半端ないって。後ろ向きのボールめっちゃトラップするもん。そんなんできひんやん、普通」と泣きじゃくる姿がテレビで放送されると一気に広がったのだ。


 実は、日本のフットサル界にも、大迫並みに“半端ない”選手がいる。それがフウガドールすみだの清水和也だ。

 清水は高校3年生だった17歳の時にFリーグデビュー。高校生でデビューした選手は過去にもいたが、清水が“半端ない”のは、5試合目で名古屋オーシャンズからハットトリックしたこと。


 名古屋といえば、Fリーグで唯一の完全プロチームだ。なおかつ、2014-15シーズンの名古屋は、最終的に4冠を達成するほどの強さを誇っていた。そんな相手に高校生がハットトリックをしたことは、大きな衝撃を与えた。


 1年目に9ゴールを挙げた清水は、翌15-16シーズンには32試合出場19ゴール。ベスト5の候補にもノミネートされ、文句なしで新人賞を受賞した。


 清水の活躍はFリーグにとどまらない。15年8月、18歳にして日本代表候補に初選出。当時のミゲル・ロドリゴ監督は「素晴らしいポテンシャルを持っている」と清水の将来性を高く評価した。


 16年10月に就任したブルーノ・ガルシア監督も清水に大きな期待を寄せている。16年のコロンビアW杯の出場権を逃し、4年後に向けたチームづくりを始めた日本代表は、11月4日から6日に、タイ・バンコクで行われたAFCフットサル選手権の東アジア地区予選に臨んだ。


 来年2月の本大会の出場権をかけた大事な大会で、大車輪の働きを見せたのが清水だった。モンゴル、マカオ、チャイニーズ・タイペイとの3試合、そのすべてで先制ゴールを決めたのだ。


 清水のポジションはピヴォ。ここには森岡薫(町田)、星翔太(バルドラール浦安)、渡邊知晃(府中アスレティックFC)と実力者がひしめいているが、清水がブルーノ監督の心をがっちりつかんだのは間違いない。


 清水は、今シーズンからすみだとプロ契約をした。これまで全選手がアマチュア契約だったすみだにとって、プロ選手は清水ただ1人。大きな責任を背負ったことによって、清水のパフォーマンスはさらなる進化を遂げている。その風格は21歳とは思えないほどだ。


 プロ選手という待遇を生かし、チーム練習がない時間帯はフィジカル強化や、個人練習にあてる。清水のゴールパターンの1つ、「相手を背負ってからの反転シュート」は、コーチに付き合ってもらった個人練習で何度も繰り返した形だ。


 11月20日に行われるバサジィ大分戦は、日本代表の新エースとなった清水が迎えるFリーグの試合だ。


 しなやかなターンと、力強いシュート。そのプレーを目撃した人は、こう言わずにはいられないはずだ。清水、半端ないって――。

文・北健一郎(futsalEDGE編集長)


 清水和也を擁するフウガドールすみだは20日の第25節、11位のバサジィ大分と対決。その模様はAbemaTV(アベマTV)のSPORTSチャンネルで19時15分から生中継される。

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