バルサの“噛みつき男”スアレスがゴールから遠ざかっている2つの理由とは

これまでの半分以下に落ち込んだペース

 バルサのウルグアイ人ストライカーが、ゴールから遠のいている。


 今季、11節のセビージャ戦を終えた時点でルイス・スアレスのリーガ・エスパニョーラでの得点数はわずか3。いつもならば、チームメートのリオネル・メッシとともに得点ランキングの上位に名を連ねているはずだが――。

 スアレスがバルサで出場した試合数における1試合の平均得点は、加入した2014-15シーズンから、0.5点、1.1点、0.8点だった。しかし、現在は「0.3」ともっとも悪い数字だ。


 なぜこうなったのか、原因は2つ考えられる。


 1つ目は膝の負傷だ。8月16日、レアル・マドリーとの国王杯決勝の第2戦に出場したスアレスは、後半75分過ぎに膝を負傷。翌日、クラブからは全治約4週間のけがであると発表された。


 2つ目はエルネスト・バルベルデ新監督が採用する4-4-2のシステムだ。新監督はスアレスに、エースのメッシを生かすための働きを要求する。昨季まで4-3-3のCFとして、ゴールにもっとも近い位置でプレーしていたが、今季はプレーエリアが低くなってしまった。


 膝を負傷した影響と、新しいシステムへの適応。2つが重なったことが、スアレスのゴール数の減少につながっているのは間違いない。


ストライカーの嗅覚を見せつけた2得点

 だが、インターナショナルブレイク明けの第12節のレガネス戦。スアレスは自身がストライカーであることを観客に証明した。

 前半28分、右からのクロスに合わせようとスアレスはニアポストに走り込むが、ボールは前を通過してキーパーの元へ。しかし、球速が速かったためか、キーパーがボールを落とす。その瞬間、スアレスは予測していたかのように、こぼれたボールへ素早く走り込みゴールへ蹴り込みゴールネットを揺らす。


 さらに後半60分、今度はゴールエリア左にいたパコ・アルカセルのシュートを、キーパーが反対のサイドにパンチング。バウンド性のルーズボールに詰めていたスアレスが、上から叩きつけるような強烈なボレーシュートで2ゴール目を決めた。


 レガネス戦の2ゴールは「これぞスアレス」というものだった。野生的なストライカーの本領発揮はここからだ。

文・隈崎大樹


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