「どうもー!サンシャインこと桑原です!イェェーイ!」。ダンクトップ姿でハイテンション芸人に扮した桑原将志の叫び声が超満員の横須賀スタジアムにこだました。横浜DeNAベイスターズが11月25日にファンフェスティバル2017を開催。横浜スタジアムの改修工事が始まったため、今年は横須賀スタジアムで行われ、1万8962人が詰めかけた。スタジアムではラミレス監督の開会宣言から始まり、新入団選手の挨拶、選手トークショーなどが行われた。サテライト会場や第1野球場では出店ブースや野球教室などで選手とファンが触れ合った。
今シーズンのサヨナラ勝ちを振り返るトークショーでは、8月の広島戦での3者連続ホームラン、3夜連続のサヨナラ勝ちの場面などを振り返った。3夜目にセカンンドへの当たりでサヨナラを決めた倉本寿彦は「打った瞬間は終わった」と思ったが、「2試合続けてサヨナラ勝ちだったので、もしかしたら自分にチャンスがあるかもしれない。後藤さんがつないでくれたので、決めるぞという気持ち」で臨んでいたと話し、内野ゴロでも何度もヘッドスライディングを見せた今シーズンは、ネックレスが切れたこともあったと倉本らしいエピソードを披露した。
サヨナラ勝ちのときは、水を「かけられるより、かける方が気持ちいい」と笑う筒香嘉智。筒香によくちょっかいを出されている柴田竜拓は自身のサヨナラヒットの場面でもみくちゃにされ、「あぁならないように先に勝っておきたい」と話すと、「もっと謙虚に野球をやってほしいですね」とすかさず筒香がつっこみ、笑いに包まれた。
逆に日本シリーズでサヨナラ負けの心境を語ったのは梶谷隆幸。第6戦の11回裏。2アウト一、二塁から川島慶三にライト前にヒットを打たれ、梶谷がバックホーム。ボールが芝の切れ目で大きくバウンドしサヨナラのホームインをされ日本一を逃した。「(送球時は)何も考えない“無”でした。まっすぐ投げるだけ。人間なので不安にもなりますしドキドキもしていた」と語り、「(あのような場面では)飛んでくるなと思う」と意外な本音を吐露。「あそこに投げたのが悪いし、はねたのが現実なので、そうならないように練習するだけ。良い経験になった」とこのときばかりは口元を引き締めた。
ヒーローインタビューを振り返るトークショーでは宇宙人こと井納翔一が独特の語り口調で盛り上げ役に。ヒーローインタビューで「筒後にホームランを打ってもらいましたね、というような質問が困る。みんなわかってることだし、うれしいのは当たり前だし」と話すと、筒香は立ち上がって爆笑。そんな井納だが、今シーズンの「影のヒーロー」を聞かれると「筒香」と返答。「(CSファイナルステージ)初戦の5回雨天コールドで悔しい思いをした。そんな中キャプテン筒香の『明日から4つ勝てばいい』というひと言でみんな気持ちが入れ替わったと思う。そのひと言がなければ勝てなかった」とCS突破のポイントを熱く語った。筒香は照れ隠しに「話、長っ」とつぶやき笑いを誘ったが、キャプテンとチームメイトの信頼関係が伝わってくるエピソードにファンは改めて喜びを噛みしめた。
イベントの最後はバラエティーキックベースでこの日一番の盛り上がり。“サンシャイン桑原”だけでなく、バブリー芸人に扮した“平野ジョー”こと高城俊人が「しもしもポンセ~」と電話口に呼びかけると、次の代打にスーパーマリオの姿のポンセが登場。往年のファンも大喜びの1日となった。
この日は誰もが終始笑顔のお祭りムードで、選手も報道陣からのインタビューに口が軽やかだったのが印象的。筒香は今シーズンを振り返り、「WBCからのスタートでシンドかった。1回ピークを3月に持っていったので終わった後の疲労感が抜けず大変だった」と公に調整の難しさを語った。そのつらさを表に出さず、シーズン中は自分の発言やチームメイトに声を掛ける際もネガティブな言葉を使わず、モチベーションを上げてきたことは、井納のコメントからもつかみ取れる。ラミレス監督は、CSファーストステージの阪神との泥試合で内角を攻められ尻もちをついた筒香について、「(あのときの)筒香を見ると、こいよ!やってやるぞ!という顔。あの顔がリーダーシップの象徴」と筒香のキャプテンシーを誇った。
この日は、監督、選手も「来年こそはリーグ優勝して日本一」という言葉を何度も発し、ファンが大きな拍手で応えていた。今シーズンのチームイベントは終了するが、来シーズンへの期待と楽しみはまだまだ続く。
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