2020年の東京オリンピック正式種目に決まったサーフィン。しかし、サーフィンのコンテストの見方やルールに関しては、まだ知らない方が多いのも事実。そこで、JPSA(日本プロサーフィン連盟)のコンテストMCとしてLIVE実況をしているnicoがサーフィンコンテストの魅力や見方を分かりやすく解説。第8回目は初心者が最も理解に苦しむ4マンプライオリティールールについて。
nicoです。前回は現代サーフィンの花形、エアリアルについてお話しました。今回はサーフィンのコンテストルールでもわかりづらいという人が多い4マンプライオリティーの基本ルールについてお話したいと思います。
まず、プライオリティーとは波に乗る優先権のことです。
試合が行われるサーフポイントにはその日やその時間帯に一番良い波が来るテイクオフゾーンというものがあります。
そのテイクオフゾーンは会場によって違いますが、そこで波に乗って演技をしたほうが高得点が得られやすいです。
選手達は良い波を求めゾーンの中で少しでも良い波に乗ろうとしますが。。。
そこで皆が平等に波に乗れるように設けられたルールがプライオリティーと言う訳です。
では、このルールを1ヒート2人に適用するだけならば順番に波に乗ればいいだけなので分かりやすいのですが、4人になるとどこでプライオリティーが発生しているのかがわかりにくくなります。
そのため、ここでは4人を実際のコンテストと同じく赤・青・黄・白の4色に見立てて解説していきましょう。
通常ホーンが鳴ってコンテストが始まると、皆パドルレースをして上記で説明をしたテイクオフゾーンに向かって行きます。(沖からスタートもありますが)この時点ではまだ誰にも優先権がないので自由にパドルをすることができます。
例えばそこに最初に赤が波に乗ってライディングをしたとしましょう。すると、まだ一回も波に乗っていない人が3人いて、その人達よりも先にまた波に乗ってしまうと公平性が損なわれるため赤のプライオリティーは4番目ということになります。そして次に青がライディングしたとします。すると今度は青が4番目のプライオリティーになり、4番目のプライオリティーだった赤は3番目のプライオリティーになり、青に対しての優先権を得ることができます。そして、同じように黄が次に乗ったとすれば、4番目が黄、3番目が青、2番目が赤になり、1番目は自動的に白になります。こうして初めて4マンプライオリティーがスタートします。この順番で波に乗っていければ選手同士による波の取り合いや衝突がなくなり、平等の波に乗りライディングの実力で勝負ができるという1つのルールとなります。
ちなみに4色の閃光掲示板が岸には設置され選手は自分の優先順位が分かるようになっています。
この1例がベーシックな説明になるのですが、様々なケースが起こる試合ではこの場合はどうなるの!? といった疑問も出てきます。そこで、次回は4マンプライオリティールールをさらに掘り下げてお話したいと思います。
プロフィール
Abema TVにてJPSAのナビゲーターを務める傍ら、J-WAVEなどでもレギュラー番組を持つ人気MC。本人も生粋のサーファーとして幾多の海外トリップを経験している。
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