シュートストップは「14回」。このデータを記録し始めた2003年以降、プレミアリーグでもっとも多いセーブ数を叩き出したのが、マンッチェスター・ユナイテッドの守護神ダヴィド・デヘアだ。
プレミアリーグ第15節アーセナル対マンチェスター・ユナイテッドの一戦は、アウェイチームのGKデヘアが、神がかったパフォーマンスを披露。ユナイテッドが3-1で勝利をおさめた。
この日序盤に立て続けに2点をとってリードしたユナイテッドだったが、その後ホームチームの猛攻を受け、最終的なスタッツはポゼッション25%。被シュート数33本。とにかく攻められる試合だったのだが、そんな苦しい試合でスペイン代表GKが輝いた。
相手の至近距離からのシュートを超人的な反射神経で止める。ワンバウンドする処理しにくい低弾道ミドルもきっちり外に弾く。これくらいはデヘアなら、もはや“普通”だ。
デヘアの衝撃的なセービングとは
もっとも衝撃的なセービングは後半11分に起きた。
アレクサンドル・ラカゼットがボックス内から放った反応しにくい足元への威力のあるシュートを、右手で反応し外にかき出す。この時点でスーパーなのだが、このこぼれ球に反応したアレクシス・サンチェスによる、距離にして1メートルを切る至近距離から放たれたシュートもデヘアは右足を伸ばしてストップする。
このプレーでデヘアが素晴らしかったのは、1つ目のセーブから体勢の立て直しが非常に速かったこと。そしてサンチェスのシュートに対して当てずっぽうで足を伸ばしているのではなく、明らかにシュートコースを読んで足にボールを当てにいっている点だ。このゴール前での瞬時のプレー予測、反射神経、そして無理がきく身体能力にはユナイテッドのみならずアーセナルサポーターも称賛の声を上げている。
「マンチェスター・ユナイテッド・サポーターズクラブ・ジャパン」が、試合後にTwitterで行った「この試合のマンオブザマッチは?」という4択のアンケートに対して、501名が回答し93%の回答者がデヘアをマンオブザマッチに選んでいる。この手のアンケートは意見が割れがちであること考えると、この日のデヘアが圧倒的な存在感だったことがよくわかる。
至近距離のシュートストップ能力が驚異的
アーセナル戦は出番が多かったこともあり特に目立ったが、デヘアが驚異的なのは、このレベルのパフォーマンスをコンスタントに披露しているところだ。特に至近距離からのシュートにはめっぽう強く、トップクラスのGKでも反応できないシュートに対して反応するだけでなく、意図的に手や足を当てにいけるのだから驚きだ。
今週末はマンチェスター・ダービー。
今季1試合3得点以上の絶好調マンチェスター・シティと対戦する。ユナイテッドはアーセナル戦の一発レッドで中盤の要ポール・ポグバが出場停止。苦しい戦いになるだろうが、それでもこの守護神がいる限りユナイテッドは簡単に失点しないはずだ。
サポーターからすれば複雑な心境だろうが、今週末もデヘアの神がかったパフォーマンスがユナイテッドを勝利に導くことになるのかもしれない。
文・内藤秀明
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