プロ野球「申告敬遠」報道にファン反対の声多数「省略すればいいというものではない」

 守備側が打者との勝負を避け意図的に四球を与える「敬遠」を、投手が1球も投げずに申告により成立する制度が来シーズンから導入される見通しであることが、各メディアで報じられた。

 申告による敬遠は、試合時間の短縮を目的としたもの。相手に故意に四球を与える際、ベンチの申告により、投手が打者に形式的に4球投げることなく四球とすることができる。一方で、これまで「敬遠のボールを打者が手を伸ばして打った」「敬遠のための投球で暴投してしまった」など、形だけの投球であるはずの敬遠をめぐってドラマも生まれてきた。そのため申告敬遠は賛否両論を巻き起こしたが、すでに米大リーグでは今シーズンから導入されている。


 日本球界でも導入される見込みとの報道を受け、ネット上ではプロ野球ファンからさまざまな反応が上った。多くはやはり「省略すればいいというものではない。そこにドラマや駆け引きがある」「味気ない。野球をつまらなくさせる」と導入に否定的なもの。また、1999年に甲子園での巨人戦で阪神・新庄剛志が打った劇的な“敬遠球サヨナラヒット”を覚えている人が多いようで、「新庄みたいなことが二度となくなる」と悲観する声もあった。


 他には「打者のボール球を打つ権利を侵しているのでは?」という意見も見られた。確かに、首位打者争いをしている中で勝負を避けられたときなど、打者が届かないボールに抗議の空振りをすることもある。そういった駆け引きも含めての野球だという意見を持っている人が多いということだろう。賛成派の意見としては、「敬遠はするときもされるときもイライラするので賛成」「敬遠の時間は無駄」「ブーイングタイムがなくなっていい」というものが多い。


 NPBの現役選手からの意見はまだないようだが、一足先に導入した大リーグでは選手の声も報じられている。田中将大投手が「投手に関しては楽になる」と肯定できる部分もあるとした一方で、イチロー外野手は「野球が変わってしまう」「4球の間の空気感がある。あれは戻さないとダメでしょう」と否定的なコメントをしている。

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