ホームランはプロ野球の華。今季、19年ぶりの日本シリーズ進出を果たした横浜DeNAには、印象に残るホームランも多かった。ファンなら絶叫したであろう、強烈なホームランを振り返った。
【桑原】自身もチームも乗せた9回2死から逆転満塁弾
7月1日に東京ドームで行われた巨人戦。初回に桑原将志の先頭打者ホームランなどで2点を先制した横浜DeNAだったが、その裏に巨人・村田修一にタイムリーを浴び1点を返された。その後は膠着状態が続いたが、終盤8回に再び村田に満塁から逆転3点タイムリーツーベースを許し、2対4とされた。しかし土壇場の9回、2死満塁から桑原が起死回生の満塁弾をレフトスタンドに叩き込みDeNAが逆転勝利を収めた。
不動の1番・センターである桑原だが、今シーズンは序盤から6月下旬までずっと調子が上がらず、そのためチームもいまいち波に乗れなかった。それでもラミレス監督は桑原を外すことなく定位置で使い続けると、この試合のホームランをきっかけに桑原の調子はぐんぐん上昇。なんと7月は打率.389、6本塁打、14打点を記録し月間MVPを獲得していた。
【細川】初打席初ホームラン&史上初のデビュー2戦連発
CS進出を決めた直後の10月3日の中日戦、ドラフト5位ルーキー細川成也外野手が5番ライトでスタメンに名を連ねた。ラミレス監督が「日本人でこんなに飛ばす選手は見たことがない」と惚れ込み、「将来必ずスターになる」と太鼓判を押す若手だが、まだ19歳。高卒ルーキーがプロ初出場でクリーンアップに座るのは異例とも言えるだろう。しかし細川は第1打席の2球目をフルスイングすると、打球はバックスクリーンを直撃。すべての人の度肝を抜く“プロ初スイング初ホームラン”を見せた。
さらに細川は翌4日も5番ライトでスタメン出場すると、第2打席で今度はライトスタンドに打球を叩き込んでみせた。デビュー戦からの2戦連発は高卒ルーキーとしては史上初。細川は日本シリーズでも初打席初ヒットを放っている。シーズン最後に、将来の活躍を確信させる強烈なインパクトを残した。
【筒香・ロペス・宮崎】史上初3連発でサヨナラ
そしてなんといっても今年の横浜DeNAが見せた最も印象的なホームランといえば、8月22日の広島戦で飛び出したクリーンアップ3者連続ホームランによるサヨナラ勝利だろう。2対5で迎えた9回、筒香嘉智の2ランとロペスのソロホームランで劣勢だった試合を土壇場で同点とすると、続く宮崎敏郎も一発を放ち、これ以上ない劇的な勝利を収めた。
3者連続ホームランによるサヨナラはプロ野球史上初。この試合で「どんな状況でも逆転できる」と自信を得た横浜DeNAは、翌日の試合も梶谷隆幸のサヨナラ2ベースで勝利すると、さらにその翌日も倉本寿彦がサヨナラ打。球団57年ぶりとなる3試合連続サヨナラ勝利を記録している。首位広島に苦手意識を植え付けるきっかけとなり、最終的にCSでの圧倒にもつながったこの3連発は、85年阪神のバース・掛布・岡田の3連発と並び伝説として語り継がれるに違いない。【大木信景(HEW)】
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