大怪我からの奇跡的な復活
ズラタン・イブラヒモビッチは新しいプレースタイルを模索しているようだ。
11月18日に行われたプレミアリーグ第12節、ニューカッスル戦でイブラヒモビッチは7カ月ぶりにピッチに立った。
今年4月20日に行なわれたヨーロッパリーグ準々決勝第2レグのアンデルレヒト戦で右膝の前十字靭帯を断裂。通常であれば復帰には8カ月以上はかかる大怪我だったが、早期復帰を果たした。
しかし怪我の後遺症は少なからずあるように見える。
36歳になったストライカーは、怪我の影響かスプリントの回数が減っており、運動量も少ない。もともと動き回るタイプではないとはいえ、相手にとってはマークしやすい。もっとフィジカルコンディションを向上させる必要があるのは間違いないだろう。
それゆえに、怪我明け後のイブラヒモビッチは最前線でプレーするというより、一列後ろ、トップ下のポジションでプレーすることが多い。実際、12月26日に行われたバーンリー戦では、ロメル・ルカクとともに先発出場を果たしたが、トップ下を基本ポジションとしていた。
ズラタンのトップ下はアリ?ナシ?
しかし、このコンバートは現時点ではうまくいっているとは言い難い。
強靭なフィジカルをいかしてタメを作り、相手を引きつけてからパスを供給する。イビラヒモビッチのプレースタイルは、CFでもトップ下でも大きくは変わっていない。ただし、前線の選手に縦パスを出した後、追い越していくフリーランニグなどが少なく、決定機に結びついていない。
とはいえ、技術もサッカーIQも高い選手なので、このあたりのプレーの調整は時間の問題かもしれない。
それよりも大きな問題はルカクとの相性だろう。イブラヒモビッチもルカクも動き回るタイプではないので、2人がコンビを組むと前線が停滞してしまう。実際、バーンリー戦では2点ビハインドという苦しい展開だったこともあるが、前半のみでイブラヒモビッチはお役御免となっている。
新たなプレースタイルを模索していくのか、それともかつてのような王様のようなプレーを取り戻すのか――。奇跡の復活を遂げたイブラヒモビッチはターニングポイントに立っている。
文・内藤秀明
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