横浜DeNAの春季キャンプは第5クールに入り、2月24日の巨人との試合を皮切りにいよいよオープン戦が始まる。開幕に向け、レギュラーや1軍の生き残りを賭けた戦いは白熱していくが、その中でも目が離せないのが外国人枠の争いだ。
投手と野手を合わせて4人までと定められている外国人枠。昨年、19年ぶりに日本シリーズに進出できたのも外国人選手の活躍があってこそ。チーム外国人初の10勝を挙げローテション入りが濃厚なウィーランド。広島戦で13打数7安打3本塁打、9打点の成績を残したハマの二刀流。打ちまくる右のエースに期待がかかる。昨年62試合に登板し27ホールドを記録したパットン。山崎康の不調でクローザーを任され7セーブを挙げた。山崎康につなぐ勝利の方程式に欠かせない存在だ。そして、今年4番に座るロペス。リーグトップの171安打、105打点を残しキャリアハイの成績でチームを引っ張った。
ラミレス監督は第3クールから「基本的にはウィーランドとパットン、ロペスはある程度確定」と明言しながらも、「けれど…」とうれしい悩みが続いている。サムスンとの練習試合で先発した新加入のバリオスは、ゴロを打たせるピッチングで併殺打にするなど2回無失点。エスコバーも1回を無失点に抑え、ブルペンでも順調な仕上がりを見せている。バリオスは2012年から一昨年までソフトバンクで中継ぎを担い、2015年には17試合連続ホールドの日本タイ記録を樹立。昨年はBCリーグの富山GRNサンダーバーズの先発としてもフル回転した。8月には3試合で19回を投げ、奪三振14、防御率0.00で3勝し月間MVPにも輝いている。日本をこよなく愛し、BCリーグから這い上がってきた苦労人は再び1軍の舞台に立てるのか。
野手のソトもアピールを続ける。ソトが放った紅白戦での2発は強烈だった。3番・サードでスタメン出場し、初回には今永昇太が投じた初球、142キロのインコースのストレートをレフトスタンド奥のネットまで持っていった。続く第2打席もストレートをレフトスタンドへ。この長打力が魅力だが、「昨日は初めての試合でタイミングが取れなかったので、今日はタイミングの取り方に集中して、試合の中で良い調整ができた」と対応力の高さもうかがわせる。20日のハンファ戦でも左中間へ二塁打を放ち、猛アピール中だ。
外国人枠の残り1枠を争う戦いにラミレス監督はうれしい悲鳴を上げている。自身も経験した外国人枠争い。かつて、外国人選手が大変な思いをしているのでジャイアンツは一番行きたくなかったと著書にも残しているように、外国人選手を大事に扱いたい思いがある。結局は希望の複数年契約を叶えた巨人に移籍することになり、李承ヨプ、ゴンザレス、グライシンガー、クルーン、バーンサイドらが在籍する外国人飽和時代に身を置いていた。2008年にFA権を取得し日本人扱いとなったことでチームも自身も「外国人枠」の悩みから解放されたのだった。横浜DeNAでも選手が日本人扱いになってくれれば悩みが1つ解消されるかもしれないが、ロペスがフル出場したとしてもFA権を取得するには3年ほどかかる。「エスコバーも良いですし、バリオスも先発、リリーフと両方できて日本での経験もある。ソトも今のようなバッティングをしてくれたら…。
開幕までまだあるので様子を見ながら決めていこうと思うが、全員が非常に良い調整をしていると感じる」。ラミレス監督のうれしい悩みはまだまだ続きそうだ。【山口愛愛】
(C)AbemaTV
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